塩素化パラフィン(CP)とは
直鎖上の炭化水素を塩素置換した化合物の総称のことを塩素化パラフィンといいます。
塩素化パラフィンにはいくつか種類があります。
塩素化パラフィン(CP)の種類
短鎖塩素化パラフィン(SCCPs)
炭素原子が10~13個持つ塩素化炭化水素の混合体で、塩素の含有が40~70%のものです。
中鎖塩素化パラフィン(MCCPs)
炭素原子を14~17個持つ塩素化炭化水素の混合体で塩素の含有が40~70%のものです。
長鎖塩素化パラフィン(LCCPs)
炭素原子を18個以上もつ塩素化炭化水素の混合体です。
用途
難燃剤、プラスチックの可塑剤、金属成形加工時の潤滑剤、冷却剤等、幅広く使用されています。
特に、天然の皮革には生産の加脂剤の不純物としてSCCPsが含まれることが多々あります。
SCCPsについてはすでに規制されているため、その代用としてMCCPsやほかの塩素化パラフィン(CP)混合物が使用されることもあります。
塩素化パラフィンの規制
世界市場では、最終製品におけるSCCPsの残留を法律で規制しています。
主要なブランドでは生産時にもSCCPsの使用s禁止
SCCPsは特に体内に蓄積されやすい物質で、水中生物に低濃度に蓄積することがわかっている。
SCCPsと似ている化学的特性や物理的特性を持つため、MCCPsも蓄積性等があると考えられています。
MCCPs規制 に対する規制
現在(2022年9月13日時点)、MCCPsの規制について協議されています。
例えば、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」の検討委員会で協議の対象物質となっています。
協議の理由としては、MCCPsはSCCPs同様に、生体への蓄積性の性質があるとされており、懸念されています。
また、現在の使用状況や環境汚染等の状況から、物質規制についての協議が行われています。
現状としては、MCCPsに対する規制の物質の内容は「炭素原子がC14~C17の範囲、塩素化レベルが45wt%以上であること」です。
まだ確定ではないため、最新情報に注意していきます。
コメント