PoPs条約(ストックホルム条約)
背景
海洋汚染の大きな原因となっている物質の一つとして「合成有機化合物」があり、環境の汚染が懸念されています。
その約100か国の政府代表団、国際機関、非政府機関等の代表が参加した政府間会合が開催され、環境問題に関する「世界行動計画」が示された「ワシントン宣言」が採択されました。
「ワシントン条約」では、12の残留性有機汚染物質(Persistent Organic Pollutants:POPs)の減少に向けて、これらの物質の排出を規制する法的拘束力のある国際的な枠組を確立することに向けて行動することが含まれています。
その後、国際的な枠組みとなるPOPs条約が制定されました。
目的
POPs条約は、残留性有機汚染物質から人の健康と環境を保護することを目的としています。
POPsとは
POPsは以下の性質を持ちます。
- 毒性が強い
- 残留性・生物蓄積性を持つ
- 長距離にわたる環境における移動の可能性がある
- 人の健康又は環境への悪影響を有する
該当する化学物質としては、ダイオキシン類、PCB(ポリ塩化ビフェニル)、DDTなどです。
また、POPsは、自然界に存在する物質ではなく、人工的に作成された物質のため蓄積性が高いと考えられます。
環境中に放出された時に、風を通じて国境を移動する物質であり、実際にPOPsの放出がなされていない地域に生息するアザラシ等からもPOPsが検出されています。
そのことからも、POPsの国際規制強化が必要とされ、その環境への放出を防止しなければいけません。
主な規制
(1)PCB等18物質(附属書A掲載物質)の製造・使用,輸出入の禁止
(2)DDT等2物質(附属書B掲載物質)の製造・使用・輸出入の制限
(3)非意図的に生成されるダイオキシン等4物質(附属書C掲載物質)
などの上記点において、削減等による廃棄物等の適正管理を定めています。
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