REACH規則概要
REACH規則は欧州連合(EU)での化学品の登録・評価・認可・制限に関する制限です。
Registration(登録)、Evalation(評価)、Authorisation(認可)、and Restriction(制限) of Chemicals
の頭文字をとった呼び方です。
日本に直接的に影響することは少ないのですが、この規則は欧州で使用する製品に適用されます。
自社の製品を欧州へ輸出して使用する場合は、対象になる可能性があります。
化学物質申告の義務は欧州の企業に課せられるため、直接報告の義務はありません。
目的
人の健康と環境の保護、欧州化学産業の競争力の維持向上
既存化学物質と新規化学物質
既存化学物質とは通常化学物質規制が開始された時点で、すでに市場に流通していた化学物質のことです。
従来のREACH規制において、規制の導入以後、新たに製造又は上市される新規化学物質は、有害性(又はリスク)の評価を事業者が実施することが義務付けられていました。
一方で、既存化学物質についてはリスク評価の実施が主に行政の役割とされていましたが、これまで政府が実施していたリスク評価を事業者の義務に変更されました。
REACH規則構成
登録
1年間の製造量・輸入量が1トンを超えている化学物質が対象になります。この際、新規化学物質か既存化学物質かは関係ありません。
製造・輸入事業者は、登録のため、欧州化学物質庁に以下の情報を提出する必要があるようです。
- 技術書類(登録者情報物質、用途、安全仕様に関する書面、有害性情報等)
- 年間の製造・輸入量が事業者あたり10トン以上の化学物質については、化学物質安全性報告書(CSR)(有害性評価、リスク評価が必要)が追加的に必要
既存化学物質の登録は、事業者あたりの製造・輸入量の程度に応じて登録期限を設定されます。
評価
化学物質安全性報告書(CSR)の内容を行政庁(ECHA)が評価し、追加試験の実施または追加情報を事業者に要求します。
行政庁(ECHA)は、以下の物質から優先的に評価を実施します。
- 高懸念物質(SVHC)※
- ばく露のある物質
- 事業者あたり100tを超える量が使用される物質
※高懸念物質(SVHC)の対象
- 一定程度以上の発がん性・変異原性・生殖毒性物質(CMR物質)
- 残留性、蓄積性、毒性を有する物質(PBT物質)
- 残留性及び蓄積性が極めて高い物質(vPvB物質)
- 上記以外の化学物質で、内分泌かく乱特性を有しており、人の健康や環境に深刻な影響がありそうなもの(個別に特定)
認可
高懸念物質(SVHC)を使用するためには、事業者は行政庁(ECHA)へ申請・認可を得る必要があります。
認可を有する事業者及び川下使用者は、上市前にラベル上に認可番号を記載するなど、認可を得ても指定事項を行わなければいけません。
制限
行政庁(ECHA)が実施したリスク評価により、リスク軽減措置が必要な場合には、製造、上市、使用が制限されます。
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